スコット・B & ベス・B監督、主演はリディア・ランチの1982年映画『ボルテックス』です。
何といっても、主演がリディア・ランチ!で女探偵を演じています☆劇中で口ずさむ歌声も実に暗黒ロリータ・ヴォイスでキュンとなるのでした。1982年作品なので、10代からNYのパンク〜ノー・ウェイヴ・シーンの中心的メンバーとして活動していた、リディア・ランチの20歳を過ぎたくらいのお若き頃の貴重な映像であり、当時の仲間たちと共に音楽と一体となって作り上げた8mm映画の自主製作映画です。
ポストパンク〜NO NEW YORK〜ノー・ウェイヴ時代の、先鋭かつニューヨーク・パンク〜ジャズの空気感がたまらなくけだるいアート感覚いっぱいに映像と音楽が全体に漂う作品です。
お話は、一人の上院議員が謎の死をとげる。女探偵エンジェル・パワーズ(リディア・ランチ)がある男から雇われ調査にのりだす。やがて死の蔭に巨大企業間の政治的覇権争いがあることが分かるが、彼女は次第にその中に巻き込まれていく・・・。フィルムノワール的ハードボイルドなサスペンスと前衛アート作風での、リディア・ランチ演じる女探偵役は、意外なようではまっているようにも思えます。エンジェル・パワーズという役名もピッタリです★
全編をクールなパンクロックジャズが流れる。演奏は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のジョン・ルーリーやリチャード・エドソン、そして、アデル・バーティー、リディア・ランチ、スコット・B & ベス・Bらによるもので、ナレーションにはジム・ジャームッシュの名もクレジットされています。
この映画を製作・監督したスコットBとベスBは、1978年、ニューヨークのパンクロッククラブで、ロックミュージックと映像のモンタージュを使い、8mm映画の自主製作と上映を開始した。この『ボルテックス』は彼らの初めての16mm作品で、1982年のNYフィルムフェスティバルでプレミア公開され、その後、各国の映画祭で上映されたものです。
観た人によって好き嫌いなど分かれそうな作品ですが、後追いながらNYパンクシーンに魅せられ、英国やヨーロッパのポストパンクやニュー・ウェイヴ・シーンを追いながら、同時代的に多感な時期を80年代という時代と共に生きてきた者にとって、豪華なB級カルト作品なのでした♪
1982年 アメリカ映画 KUZUIエンタープライズ&KUKI アスミック 定価14800円
87分 字幕スーパー HiFi カラー NTSC VHS 現在廃巻です。
ボルテックス / VORTEX
製作:“B”MOVIE Bムーヴィー
監督・脚本・編集:スコット・B & ベス・B
製作総指揮:ジョナサン・オウアダック / ヴィットリア・タイラー
撮影:スティーヴン・ファイアーバーグ 美術:トム・サーガル
音響:デブラ・バード
音楽 / アデル・バーティー / リチャード・エドソン / ジョン・ルーリー / ザ・ビーズ / リディア・ランチ / クリスチャン・ホフマン / スコット・B & ベス・B / ジェフリー・ローン / ビル・クライン
出演:リディア・ランチ / ジェームズ・ルッソ / ビル・ライス / アン・マグナソン
ナレーション:ジム・ジャームッシュ 他
ジャケット:A- 本体:A
※ジャケット背ヤケがありますが、表裏表紙は綺麗な状態です。