イヴ・シモンの1985年アルバム『L'AUTRE COTE DU MONDE』です。60年代から活動する優れたシンガー・ソング・ライターであり作家でもあるイヴ・シモン。今作は初期のフォーキーな調べからシンセサイザーを多用したポップ〜ロック・サウンド期の代表作の一枚だと思います。
タイトル「L'AUTRE COTE DU MONDE」にあるように「世界の反対側」、異国の国々へ馳せる姿勢は一貫されており、イヴ・シモンのソングライターとして、また繊細な歌声、醸し出す知的な佇まい...同様に大好きなところです。シングルカットされた「L'Abyssinie アビシニア夢浪漫」は、フランスのアルチュール・ランボー(ランボオ)が晩年、詩を捨て放浪の旅をしていた地でもある「アビシニア」(現在のエチオピア)。遥か遠い土地に思いを馳せた名曲です。
もう一曲シングルカットされた名曲「Paris-Metis 混血の巴里」、イヴ・シモンの1973年名曲「Au Pays Des Merveilles De Juliet 不思議の国のジュリエット」のリメイク(セルフカバー)、そして、個人的に殊にお気に入りの「Deplacement Du Centre Du Monde Vers Le Pacifique 世界の中心は太平洋へ」 他、全9曲を収録しています。イヴ・シモンならではのエキゾティックなフレンチ・ポップスでありワールド・ミュージックです。