レオノール・ブーランジェの2016年発売の3rdアルバム『ファイゲン・ファイゲン』です。「ファイゲン FEIGEN」とはドイツ語で無花果のことだそうです。圧倒的な創意工夫、創作発想力に悦ばしき眩暈がするようです。遊び心に溢れた手作感覚満載な録音芸術で、ある意味、妖精奇譚楽曲のようにも感じ、とっても相性の良いアルバムです。
レオノール・ブーランジェは、元来、民族音楽的要素が軸にあるのですが、パリで演劇や実験的な即興音楽、ペルシャ音楽を学んでいたそうです。なるほど!という鍛冶職人工場で録音された本作は、様々な音楽要素を解体構築したかのような、愉快なフレンチ・アヴァンポップな楽曲たちが全12曲収録されています。
ピエール・バルーが1965年に創設したレーベル「SARAVAH」の初期作品の数々をも想起させます。アフリカの伝統音楽、映像作家マヤ・デレンの作品におけるTeiji Ito の音楽、ハリー・パーチ、メレディス・モンク、ジョージ・クラムといった音楽家たちへの深い関心から学んだことも、このアルバム『ファイゲン・ファイゲン』には色濃く反映されています。フランスのレーベル「LE SAULE ル・ソール」からの素晴らしいアルバムが日本盤として発売されたことをとても嬉しく思います。
彼女がときとして外国語で歌うのは、コントロールできない言葉を発して、曲に異和感をもたせるためだ。そしてその感覚はフランス語にもある。「歌詞を意味から解放して、音として捉えなおしたい。言葉が語法から離れたとき、声は器楽性を取り戻す。すると歌の芯がふくらみ、祈りや愛撫や雷やグロソラリアになる」と、彼女は語る。グロソラリア(異言)とは宗教用語で、精霊が使徒たちに授けた、各国の人々に理解されるように話す能力であり、恍惚状態で発せられる言葉だ。(プジョー・友子さん:ジャケット・ステッカー掲載文より)
ビョーク、フアナ・モリーナ、ジョアンナ・ニューサム、リジー・メルシエ・デクルー、メレット・ベッカー、コリーン、アクサク・マブール、スラップ・ハッピー、アルベール・マルクール、といった先達たちの作品群同様に、真にヴィジョナリーでアンビシャス、プリミティヴでイマジナティヴ。本年度最重要作の一枚に選ばれるであろう恐るべきアルバムの登場です。(商品説明より)
大好きな錚々たる名が連ねられ嬉しいのですが、やはりブリジット・フォンテーヌも加えておきたいです♪
また、美しいアートワークはエストニアの画家、版画家であるVello Vinnによるものです☆
2016年作品 日本盤 WINDBELL 定価2300円+税 【CD】
歌詞付(片面は全面カラープリントになっています)
ペイパースリーヴE式ダブルジャケット仕様
※未開封新品です。
【収録曲】
1. Bluette:軽やかな物語
2. Tournade:旋風
3. Tourner:回転
4. Le Signal:信号
5. Mon Tout:私の全体
6. Les Questions:問いかけ
7. Minuit:真夜中
8. Toquade:熱中
9. Shiva Gris:灰色のシヴァ像
10. Blaues:青
11. Long Fredon:長いリフレイン
12. Grimper:よじ登る
↓★レオノール・ブーランジェの素晴らしい「Minuit」のPVです♪
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