楽譜に書かれた音、愛鳥の骨、火傷の傷痕・・・。人々が思い出の数々を持ち込む「標本室」で働いているわたし(少女)は、ある日標本技術士素敵な靴をプレゼントされた。「毎日その靴をはいてほしい。とにかくずっとだ。いいね」靴はあまりにも足にぴったりで、そしてわたしは・・・。奇妙な、そしてあまりにもひそやかなふたりの愛。恋愛の傷みと恍惚を透明感漂う文章で描いた珠玉の二篇(「薬指の標本」と「六角形の小部屋」)。
新潮社 平成10年 17刷 定価362円+税 全185頁
新潮文庫 カバー付
※カバーにスレ等ありますが、中のページは綺麗です。