マドンナの1998年アルバム『レイ・オブ・ライト RAY OF LIGHT』です。ウィリアム・オービットを迎え、久しぶりにパトリック・レナードとのコラボレーション作品。これまでのマドンナの音楽世界はこのアルバムで一気に広がり深まったと思います。美しい高音ヴォーカルもシャウトするヴォイスもマドンナならでは!スーパースターのマドンナ!ますますカッコいいです☆
「もちろんまどろむわけではないのだが、しばしは夢見る気分が気楽にサービスされる。もはやマドンナを大芸能人と言ったってまったくその通りの超ポピュラーな存在であるからこそ実験(とマドンナ本人が感じる事柄)を繰り返して(楽しんで)いける身なのだと世界は知っている。マドンナがバーブラ・ストライサンドのように自宅の庭で公開ライヴをやったらそりゃたいへんだろうが、踊れる曲がまったくなくなってしまってもほとんどのファンやなんとなく愛聴者の人々にとってはまるで大丈夫である。なぜならば、マドンナはかねてより人類の平和を音楽によって祈り続けてきたからであり、その祈りを受け止めた人々は決して少なくないどころか、マドンナという存在に対する好みはともかくそのこと自体を認めるには皆やぶさかではない、というところにまでマドンナは持って来たからである。そのことを何より再認識させるのだこのアルバムは。この気張りのなさは並大体ではない。死に向かっている生命とこれからさらに強くなっていくであろう生命とを自分の中に同居させ、比較するのではなく、それぞれからの教えに率直に首を垂れる。敬意を持って、自身の内に湧き起こる不安を希望とともに歌にする。サウンドにもだからこそ、コケおどしは必要ない。もちろんノッペリしようがないのは当然のことなのだが、ステージ同様、全体のスケールは大きい。サンスクリット語で祈りもする。しかしいわゆるサイキックな姿勢や興味ではない。邪気と添加物と薬とあぶく銭と偽善にまみれて手に入れる健康という名の不健康な現実をポップの舞台で嘲笑える稀有な存在だから可能なのだ。ビッグ・ビートも結構。悲愴なバラードにさえノイズを忍び込ませる。だが、いかにも先端やっちまったんじゃ、舞台が狭まっちまいまさあ。歌声そのものがふくよかで柔和になったように思えるのは、愛娘の存在を知った上で聴いているからだろうか。」
上記は、 CDジャーナル1998年03月号に掲載された湯浅学氏の批評文です。たいそう胸を打たれましたので引用させて頂きました★
1998年作品 日本盤 ワーナー WPCR-2279 【CD】
解説・歌詞・対訳付 帯無
盤質:B+ ジャケット:A+
ジャケット及び日本語ライナーノーツは共にとても綺麗です。
【収録曲】
1. ドラウンド ワールド / サブスティテュート・フォー・ラヴ
2. スウィム
3. レイ・オブ・ライト
4. キャンディ・パヒューム・ガール
5. キン
6. ナッシング・リアリー・マターズ
7. スカイ フィッツ ヘヴン
8. シャンティ / アッシュタンギ
9. フローズン
10. パワー・オブ・グッバイ
11. トゥ・ハヴ・アンド・ノット・トゥ・ホールド
12. リトル スター
13. マー・ガール
14. ハズ・トゥ・ビー
↓★マドンナの「レイ・オブ・ライト」のPVです♪
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