タキシードムーンの1979年3rd・シングル『SCREAM WITH A VIEW』です。「Nervous Guy」と「Midnite Stroll」のヴォーカルはブレイン・L・ライニンガー(ブレイン・レイニンガー)、「Where Interests Lie」と「(Special Treatment For The) Family Man」はスティーヴン・ブラウンがボーカルを担当しています。本作での他のメンバーはマイケル・ベルファー、ピーター・プリンシプル(クレジットはPeter Dachert)の4人です。
殊に「(Special Treatment For The) Family Man」は、1978年11月27日にサンフランシスコで、当時ゲイであることを表明していた市会議員のハーヴェイ・ミルクとジョージ・マスコーニ市長が暗殺されるという事件が起き、その遺族の方々への追悼と衝撃を受け恐怖に脅えた人々への思いが込められた曲です。スティーヴン・ブラウンのサックスの哀しい響きが印象的な貴重な曲だと思います。ハーヴェイ・ミルクに関する書籍やドキュメンタリー映画、ガス・ヴァン・サント監督の『ミルク』などでも描かれていますが、ハーヴェイ・ミルクというお方は、同性愛やマイノリティの差別撤廃に身を投じた勇敢で素晴らしい政治家だったと、時を経るなかで彼の尊い訴えは今のアメリカでも生き続けているのだと思います。