サン=テグジュペリの永遠の名作『星の王子さま』のオリジナル版です。
著者の生誕100年を記念し作られた復刻版。挿絵は著者自身が描いた米オリジナル版そのままの絵が載せられている。これまで親しんできた挿絵と比べると輪郭がはっきりしていて鮮明、そのほかにも「ささいな違い」を見つけながら読み進めていく楽しみもある。
本書は、ストーリーの展開を楽しむ意味においては子ども向けだが、むしろ大人向けのメッセージに満ちていて、本来人間には「心の目」が備わっているということを呼び起こされる。その、真実を見ることのできる「心の目」をもって、大切にしていかなければならないモノを感じ取り、それを生かしていくことで人は豊かになれるはずなのだが、さまざまなことに心を奪われ見えなくなっていき、やがて見ようともしなくなる(王子が訪れた星に住む大人たちは点灯夫以外その象徴のようでもある)。
キツネの言葉「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目には見えないんだよ」は著者からの、大人、そしてこれから大人になる子どもたちへの警鐘なのかもしれない。
引用:商品説明(加久田秀子)
おとなは、だれも、はじめは子どもだった。
(しかし、そのことを忘れずにいるおとなは、いくらもいない。)
.....サン=テグジュペリ☆内藤 濯 訳
まえがきは、フレデリック・ダゲー(川口恵子訳)です。
*ダゲー氏は、サン=テグジュペリの妹の孫に当たる人です。
岩波書店 2000年発行 2008年 第22刷 定価1000円+税 全133頁
オリジナル版 ハードカバー 帯付
全ページ美しい日本語です。
※全体的に綺麗な状態です。
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