ヘイデイ・ベリーの1993年発売の4thアルバム『HEIDI BERRY』です(1stミニ・アルバムも含めて)。前作以降、レーベルを「クリエーション」から「4AD」に移籍となり、一段とフォーキーな世界が深化し、「4AD」的な優美さも増した秀作だと思います。バック・ミュージシャンも、ピーター・アスター(ザ・ロフト、ウェザー・プロフェッツ)、テリー・ビッカーズ(ハウス・オブ・ラヴ、レヴィテーション)、ローレンス・オキーフ(レヴィテーション、ジャズ・ブッチャーにも参加していました)、ジョン・ブルックス(シャーラタンズ)、キャロライン・ラヴェル、ヘイデイの兄のクリストファー・ベリー、そして、大御所ダニー・トンプソン(ペンタングル)、B. J. コール...etc.と、とても豪華です。
ヘイデイ・ベリーはサンデイ・デニーの影響が濃く、ボストン出身ですが10代の70年代初頭からは英国育ちゆえ、やはり英国トラッド・フォークやケルティックなものを共有しているようです。B面2曲目の「Break Like A Wave」はカナダの姉妹デュオ、ケイト&アンナ・マクギャリグルの70年代の曲のカバーです。全曲味わい深い曲ばかりですが、小曲ながら「Ariel」の神秘的な浮遊感漂う美しさにはっと息を呑み、やはり「4AD」的だなあ、と感動はそのまま間髪入れずにラストの「Dawn」へ。B. J. コールのスティール・ギターが絶妙に楽曲に溶け込んでいます。そんな全11曲を収録しています。