バウハウス解散後、ダリズ・カーを経て、ピーター・マーフィーの1986年のソロ・アルバム第一作目となる『SHOULD THE WORLD FAIL TO FALL APART』(邦題は「凍てついた世界へ」)です。惜しまれるバウハウスの解散でしたが、このソロ・アルバムへの期待もまだ大きかった頃で、ピーター・マーフィーのソロ活動を熱く追っていたお方も多いと思います。私もその一人であり、発売日を楽しみに予約して購入した頃を懐かしく想起いたします。
本作でのピーター・マーフィーの稀代のヴォーカルはまったく衰えることもなく、バウハウス時代のサウンドよりも明るいトーンですが、耽美派ロック及び優美なロマンティシズムに溢れた世界が紡がれた作品だと思います。「The Light Pours Out Of Me」はマガジンのカバー曲、またシングルカットにもなった「Final Solution」はペル・ユビュのカバー曲です。相変わらず、カバーセンス抜群、かつ本家に劣らぬ作品に仕上げてしまう才能には天晴れです。