ウラジーミル・ナボコフは、1899年に帝政ロシアのサンクトペテルブルクに生まれたが、革命の勃発の際に祖国を離れ、ベルリンを中心にヨーロッパ各地を転々とする。1945年にはアメリカに帰化し、コーネル大学などで教鞭をとる傍ら、英語での創作を開始し、『ロリータ』(1955年)によって爆発的な成功をおさめた。以後、ロシア文学の伝統をふまえた貴族的で特異な美意識をもつ芸術家として異才を放った。作品には、『プニン』『アーダ』『四重奏』などがあり、本書は、鮮烈な追憶のうちに甦る初恋とベルリンでの亡命生活を対比して描くナボコフの処女作である。
新潮社 発行 1972年 3刷 1987年 定価1400円 全201頁 絶版
カバー付
※中のページの状態は良いです。
カバー天スレ、小口ヤケあります。