パリのほろ苦い記憶。
それは私にとってかけがえのない宝物。
こうして、憧れのパリに住めるようになり、
言葉に表せないほど感謝している。
忘れなかった神様と、励まし続けてくれた母と、
私のピアノの音を理解してくる人たち。
そして猫のお陰だ。
クリスマス・イブに一人ぼっちで惨めで泣いたこともあるし、砂糖水しか飲めない日もあった。
でも、どんなに苦しくても、
夢のない後ろは振り返らなかった。
いつまでも過去を引き摺っていると、扉は開かない。
これからも、弱い者たちをピアノで励ましたい。
早くこの世から、飢え死にしそうな子どもや
動物たちがいなくなり、
みんな心穏やかに暮らせるよう願っている。
どうか私のピアノの音で、
ひとりでも苦しみから救えますように。
(作者あとがきより)
パリは大切な初恋の人。いっぱい涙がつまっている。魂のピアニストが語る、「私の部屋」とパリの思い出。(帯より)
阪急コミュニケーションズ 2005年 初版 定価1800円+税 全127頁
単行本 帯・カバー付
※帯・カバーにスレありますが、本の状態はとても綺麗です。
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