現実か妄想か?小心実直な男に芽生えたアパートの隣人たちへの恐怖。
古びたアパートに空き部屋を見つけたトレルコフスキー(ロマン・ポランスキー)は、前の住人が窓から飛び降り自殺を図った事を聞かされる。彼はその女性-シモーヌを病院に見舞い、そこで彼女の友人と名乗るステラ(イザベル・アジャーニ)と知り合う。やがてシモーヌは死に、その部屋に越してくるトレルコフスキー。部屋にはまだシモーヌの痕跡がそこかしこに見られ、壁に開いた穴の中には彼女のものと思われる一本の前歯が隠されていた。そして、向いの窓には奇妙な人物の佇む姿もあった。不安な中で始まる新生活。わずかな物音でも隣人から苦情が発せられ、口うるさい家主(メルヴィン・ダグラス)と無愛想な女管理人(シェリー・ウィンタース)もトレルコフスキーにとって脅威となっていく。やがてタバコや飲み物といったトレルコフスキー自身の嗜好も変化し、彼は周囲の人々によって自分がシモーヌに変えられていく事を感じ始めていた。被害妄想は次第に膨れ上がり、ある夜、その妄想は現実と化す……。
『反撥』『袋小路』『ローズマリーの赤ちゃん』等、サイコホラー及び心理サスペンスに独自の世界を切り開いた奇才ロマン・ポランスキーの1976年の劇場未公開作品で、原作はローラン・トポール 『幻の下宿人』です。
1976年 フランス/アメリカ合作映画 CIC・ビクター 税抜定価14800円
126分 字幕スーパー MONO VHS 現在廃巻です。
ジャケット:A 本体:A
テナント 恐怖を借りた男 / LE LOCATAIRE
監督:ロマン・ポランスキー 製作:アンドリュー・ブラウンズバーグ
原作:ローラン・トポール 『幻の下宿人』
脚本:ロマン・ポランスキー / ジェラール・ブラッシュ
撮影:スヴェン・ニクヴィスト 音楽:フィリップ・サルド
出演:ロマン・ポランスキー / イザベル・アジャーニ / メルヴィン・ダグラス / シェリー・ウィンタース / ジョー・ヴァン・フリート / ベルナール・フレッソン / リラ・ケドロヴァ / クロード・ドーファン / エヴァ・イオネスコ