洗濯女だった一人の女が、ふとしたことからピョートル大帝の目にとまり、知恵と才覚と妖艶さによって、妻の座を勝ちとり、ついには女帝としてロシアを統治するまでを描く。
十八世紀はロシアにとって女帝の時代だった。初めての女帝エカチェリーナ一世から、有名なエカチェリーナ二世まで四人の女帝を輩出したのである。その先鞭をつけたのが本書の主人公エカチェリーナ一世である。ソ連時代は皇帝の伝記は限られたものしか刊行が許されなかったこともあって、エカチェリーナ一世の伝記はいまもない。著者は亡命ロシア人が多くいたパリの古書店で革命前に刊行された文献を渉猟し、本書を書き上げた。ヴェールを脱いだエカチェリーナ一世はまことに魅力に富んだ女性で、読むものを引きつけずにはおかない。
草思社 2002年 初版 定価1700円+税 全256頁
単行本 カバー付
※カバー天・小口にややスレ等あります。
表紙・中の頁の状態はとても綺麗です。