カバー表紙はナチ親衛隊によってワルシャワのゲットーの自宅から追われるユダヤ人たち。心理学者V.E.フランクルの手記で貴重な資料が多く掲載されています。『この本は、人間の極限悪を強調し、怒りをたたきつけているが、強制収容所で教授が深い、清らかな心を持ち続けたことは、人間が信頼できるということを示してくれた。この怖ろしい書物にくらべては、ダンテの地獄さえ童話的だといえるほどである。しかし私の驚きは、ここに充たされているような極限の悪を人間が行ったことより、かかる悪のどん底に投げ込まれても、人間がかくまで高貴に、自由に、麗わしい心情をもって生き得たかと思うことの方に強くあった。その意味からフランクル教授の手記は現代のヨブ記とも称すべく、まことに詩以上の詩である。』(野上弥生子氏評より)。
みすず書房 1997年新装第22刷 定価1890円 全208頁
カバー付
※全体的に状態は良いです。