主にイギリス・フランス・ドイツを中心に、フレンチ・ポップスやシャンソン、アートロック、アヴァンポップ、エレクトロポップ、映画関連など多数のジャンルを取り扱っております。好きなアーティストや作品への拘りもありコンディションの良い品揃えを心がけていますので、ぜひご利用くださいませ。
●『クララの森・少女愛惜』●サブchouchouの趣味のサークル『BRIGITTE』(フレンチ・女性ヴォーカル・映画と文学・少女愛好の会)内のブログです。心のミューズたち、永遠の少年少女たち、素晴らしき歌姫や女優たち、音楽・映画・文学・アート等について気ままに綴っております。ブログ内で参考にさせて頂いた作品の在庫のないものもお取り寄せ可能なものは販売させて頂きます。お気軽に「お問い合わせ」ください。どうぞ宜しくお願い致します。

2019年3月
サブchouchouの「シャンソン&ロック&映画鑑賞、そして百折不撓日記」:1
2019年03月20日

 皆様、いつも大変お世話になっております。弱小店ながらVELVET MOONは25歳になりました。ありがとうございます。でも、まだまだなのです。30年、40年と続けられる限り地道に頑張って参りたいと思います。ここ数年はボウイが亡くなりボウイロスは今も消えません。さらに体調を崩したり、昨年は地震や台風という大きな自然災害に見舞われ、なかなかお仕事に専念できない日が続きました。まだ完全ではないのですが、ようやく軌道修正に向かい始めたという感じです。  

 私が社会人になった頃、直ぐにバブルが崩壊しました。なので直接バブル時代をお仕事と共に体験したという感覚は希薄です。しかし、大好きな映画や音楽と出会った頃の私はやはり良き時代の恩恵を受けていたのだと、毎日多忙に働く父や家を守る母、そして愛しき日本に感謝しています。ワールドミュージックが好きになったのも、豊かな社会で各国から多様な音楽作品が輸入されていたからです。殊に、私は今は無き京都の行きつけのレコード屋さんで探しているレコードの品番をメモしては、取り寄せて頂いたりしていました。既にフレンチ・ポップスやシャンソンなどが好きでした。ヨーロッパ盤は高かったのですが、今の私の糧になっていると思うと幸せなことだと思います。  

 VELVET MOONは25歳になりましたが、初心を忘れず芸術至上主義で生き続けます!社会人になり音楽関係のお仕事に就きましたが、ある日の会議で社長さんが「もう芸術至上主義の時代は終わった」と仰いました。なんだか「ガツン!!」と私自身が否定された瞬間のようにショックでした。何も知らない私にとてもお優しい上司や同僚の方々との日々でしたが、やはり「数字やデータ主義」には付いては行けず、紆余曲折の末、同志でもあった当店店主と一緒に独立し今に至っています。  

 人生の半分を過ぎた今の私ですが、成長が足りないのか、頑ななのか、10代の頃の悦ばしき衝撃が今も新鮮に蘇るのです。例えば、私は10代の頃から黒いお洋服を日常とし今も変わりません。「黒の衝撃」というのはファッションと音楽共にあり、それらの影響を一身に受けたのかも知れない。黒の素晴らしさを知るには他の色も知らなくては!と思い色々試してみたけれど、やはり「黒」に勝るものはないのだと私は確信したように思います。80年代前半から平成が終わろうしている今...時代は変われど継承されながら新しい感覚や世代が生まれる。パンク世代に遅れた私は何から「黒」を先ず感じたのか...と記憶を遡ってみました。  

 やはり「黒の衝撃!」は山本耀司や川久保玲のお洋服を知り得たことが源流だと思えます。今もファンであることに変わりはありません。それらのファッションをグラビアの美少女たちが纏うお姿にうっとりした。けれど、まだ学生の身でそんな高価なお洋服は買えないのでした。そこで、それらしき布を購入してきては母のミシンで我流の粗だらけの縫い物をしそれらを身に着けてもいた。奇しくも同じ頃、私が魅せられたアーティストたち。ブリジット・フォンテーヌ、ニコ、マリアンヌ・フェイスフル、バルバラ、ジュリエット・グレコ、マラリア、コクトー・ツインズ、デッド・カン・ダンス、バウハウス、シスターズ・オブ・マーシー、ニック・ケイヴ、灰野敬二...どなたも黒の美学者であると思う。デヴィッド・ボウイやジョイ・ディヴィジョンは英国ゴシック・ロックに欠かせない。ポーティスヘッドが影響を受けたアルバムに「ジギー・スターダスト」が入っていた。私には英国の90年代以降のあのブリストル・サウンドにゴシックを感じるのです。マッシヴ・アタックのアルバムにコクトー・ツインズのエリザベス・フレイザーがヴォーカル参加された時、何の驚きもなく自然とその音楽を聴き入れることができました。  

 VELVET MOONをオープンして店頭でもやはり黒いお洋服ばかり着ていました。ある日、仲良くなったお客様に「お姉さんはどうしていつも黒い服ばかり着ているのですか?」と訊かれ、上手く答えることができなかったけれど「黒が落ち着くので...」というような曖昧なお返事をして苦笑していたことを思い出します。でも、その言葉は嘘ではない。落ち着くから着ている。私の時代にゴシック・ロリィタという言葉はなかったけれど、「ゴシック」あるいは「ゴチック」という言葉は好きでした。ニコが「私の音楽はゴシック」とインタビューで読んだことも影響しているのかもしれません。  

 昨今、音楽ではゴスというと主流はゴシック・メタルかゴシック・インダストリアルなのでしょうか。詳しくないけれど聴くと好きなものもやはりある。けれど、私の好きなゴシックには憂いが必要で、テンポはあまり必要としないかも。スローあるいはミドルが良い。物憂げな暗鬱さの中の儚きロマンが好き。そんな音楽は実は一定の音楽カテゴリーで語ることなどできないといつも思う。デス・ヴォイスもエンジェル・ヴォイスも好き。エレクトロなサウンドでもケルト世界にもシャンソンにもジャズにも、それらを感じることが出来るのです。全ての音楽を聴くことは無理なので私の好きな「黒の美学」や「耽美」「優美」「甘美な世界」を愛し探求しています。また、建築様式としても、ゴシック・リバイヴァル時代の文学や絵画などもやはり好きで、ルネサンスやロマン主義、象徴主義、ラファエル前派という世界も限りなく好きです。  

 25歳になったVELVET MOONの志のようなもの。それはやはり「好きな世界を追求し続けること」「芸術至上主義で生きる」です!偏愛ともいうべき愛しき芸術たち。時代や国々を往来しながら、アートから学ぶことで日々のエネルギーとして生きることができる、そのお陰でこれまで生きて来られたのですから。人生はそんなに甘いものではないけれど、「何故?」の追求ばかりで埒が明かないけれど、好きであることへの拘りは強くなるばかり。いまさら捨てることなどできない。これが私の人生、VELVET MOONとの人生なのだから☆  

 こんな調子ではございますが、これからもどうぞよろしくお願い致します♪

 (一部、以前書いたものに加筆いたしました。)